精神科医高橋龍太郎氏が、1997年以降、現代の日本絵画を本格的に収集し、その作品点数約1000点にのぼる、日本屈指の現代アートコレクション。この10年間に海外でも大いに注目を浴びた日本絵画の海外流出を食い止めた功績も挙げられる。高橋コレクションには草間彌生や舟越桂などの作品も含まれている。2008年に全国各地で一部コレクションの展覧会を行ったが、その巡回展は、「日本の幼形成熟」を意味する「ネオテニー・ジャパン」というタイトルがつけられた。アニメやゲーム、サブカルチャーで育ち、外見は幼いまま内面が成熟していった現代日本の文化を体現した、村上隆や奈良美智、会田誠、山口晃といった芸術家の作品が、その展覧会出品作の中心的骨格をなしている。まさに、日本現代アートシーンの代表的な作家たちを集めた唯一無二のコレクションといえよう。