1960年代に活動が始まったビデオ・アートは、ブラウン管のモニターを駆使して、存在感を発揮してきた。その後、80年代になると、暗い室内の壁に映像を投射するプロジェクターが、映像技術の主流となってきた。21世紀に入って液晶ディスプレーが発達し、暗い室内でなくても、絵画や写真と同様に、明るい室内でも普通に液晶ディスプレーによる映像を鑑賞することが可能になった。その映像を静止画像である絵画にひっかけて、液晶絵画という言葉が作られた。そして、これは静止画像と動画を融合させた新しい視覚表現の可能性を秘めたものといえる。