1941年、実業家の根津嘉一郎の遺志により南青山にオープン。その収集は、絵画、書跡、彫刻、陶芸、漆工など多岐にわたり、国宝7件、重要文化財87件、重要美術品96件を含む約7000件の日本・東洋の古美術品で成り立っている。リニューアルオープンを目指して2006年から改修工事が続けられ、09年10月7日、3年半ぶりに開館した。建物は、サントリー美術館の設計を手がけた建築家隈研吾によるもので、和風の趣を基調に大きなガラス張りを取り入れ、伝統と現代性を調和させた美術館となった。新創記念特別展と銘打って「第1部 新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」展が開催された。庭園は以前とほとんど変わらず、大都会にいながら大自然を味わいうる希有な環境を来館者に提供。自然と美術の調和は、リニューアルオープンした後も見事に保たれ、根津美術館ならではのものといえる。