現代美術家。1975年兵庫県生まれ。99年京都造形芸術大学卒業。学生時代、本名である田端の三姉妹の妹だったことから、「田端の妹」をかけて「たばいも」と呼ばれ、最終的に「束芋」を呼び名にしたという。大学の卒業制作の映像インスタレーション「にっぽんの台所」でキリン・コンテンポラリー・アワード1999最優秀作品賞を受賞。以来、数々の国際展や個展で活躍し、エッセーや本の装丁などでも才能を発揮している。2011年6月から11月にかけて開催される第54回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に決定。日本館コミッショナーは、大阪の国立国際美術館(NMAO)主任研究員の植松由佳で、束芋の展示プランを聞いて個展のタイトルを「超ガラパゴス・シンドローム」と命名した。展示自体は、「井の中の蛙大海を知らず」から発想され、会場の床の中央部に換気口をしつらえ、その換気口を井戸に見立てて、館内全体に浮世絵風味のアニメーションが映し出されるといった仕組みという。日本の携帯電話が独自に発展し、世界標準とは異なるものになったことを指すガラパゴスという言葉を逆手に取った仮題からも示唆されているように、日本独自の表現を目指そうというものである。