名古屋市を中心とした、あいちトリエンナーレが、2010年8月21日から同年10月31日まで開催された。国内だけでもトリエンナーレ形式(3年ごとの開催)の芸術祭は、すでに、横浜や、越後妻有、福岡などで行われており、それぞれ固有の成功を収めている。あいちトリエンナーレは、特に、名古屋の街ぐるみの芸術祭を目指そうとしており、テーマに「都市の祝祭 Arts and Cities」をあげた。トリエンナーレなどの芸術祭というと、多くは前衛的な現代美術作品の展示が中心となるが、今回は、ダンスや演劇、さらにオペラなどの舞台公演も積極的に取り入れているところに特徴があった。会場は、愛知県美術館の入る愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、繊維問屋の空き店舗などを使った長者町会場、かつてボウリング場だったところを活用した納屋橋会場と、名古屋の中心部を十全に活用した。初回の成功を踏まえて、アーティストと住民が一体化した芸術祭を目指す次回のあいちトリエンナーレの成果が期待される。