東日本大震災により、開催を予定していた展覧会を中止せざるを得なくなったものは多い。海外から借りる予定でいた作品が、福島第一原子力発電所事故の影響で、借用できなくなった例がある。群馬県立近代美術館の場合は、福島第一原発から近いという理由で、ロシア国立エルミタージュ美術館から借用中止の通知があった。反対に、宮城県美術館では、問題がないことを海外の美術館に訴えて、2011年秋に「フェルメールからのラブレター展」が無事開催された。また、被災地の岩手県立美術館では、企画展の予算が復興費にあてられて当初の企画展が開催できなくなったが、若手作家の作品発表の場として提供することで展覧会を開催した。また、所蔵品の企画展を開催することで、美術館の見直しを図った館も多数あった。