生誕100年を迎える版画家、藤牧義夫(1911年生まれ)は、1935年9月24歳の時に謎の失踪をしている。その後どうなったのか分からないまま100歳を迎えたことになる。生存説はともかくとして、24歳で失踪した後の版画の版木には他人の手が入って再制作された可能性があるとの意見まで出て、謎は謎を呼んでいる。78年に遺作展が行われ、1930年代の東京を、独特の彫りによって描いた木版画家、藤牧義夫として再評価された。2011年夏に、生まれ故郷の群馬県立館林美術館で、翌12年1~3月には、神奈川県立近代美術館 鎌倉で「生誕100年藤牧義夫展」が開催された。この展覧会では失踪前に残された作品のみで構成されている。