アメリカの現代美術の巨匠ジャクソン・ポロック(1912~56)の日本初の回顧展が、2011年11月~12年1月に愛知県美術館で、12年2月10日~5月6日に東京国立近代美術館で開催された。ジャクソン・ポロックは、1943年にグッゲンハイム美術館の「今世紀の美術」画廊で個展を開催し、抽象絵画の作品で多くの注目を浴びた。以後、キャンバスを床に広げ、絵具をたらし、流しこみ、まき散らすという、アクション・ペインティングで一躍モダン・アート界の寵児(ちょうじ)とみなされた。ただ、絶頂期を迎えた後に創作上の壁にぶつかり、56年には飲酒運転による交通事故で死去。44歳の若さで死去したため、いわゆる伝説上の画家となった。今回の展覧会では、日本をはじめ世界中のコレクションからの64点の作品が出品されているが、なかでも、30数年間門外不出で、評価額約200億円という「インディアンレッドの地の壁画」(1950年 油彩・キャンバス)が、イランのテヘラン現代美術館から出品されたことが話題となった。