一般に学芸員は、美術館や博物館でコレクションを形成、管理し、それらの調査研究、さらにそれをもとに展覧会を開催する専門職のことを指す。最近では、美術館という一定の場所に属さずフリーランスとして、企画立案し、予算を組んで、会場設営や展示などの多くの職能の人とともに、個々の展覧会を作り上げていくキュレーターも出てきている。また、特に現代美術においては、意識して「学芸員」ではなく「キュレーター」という呼称を使うことも多い。とはいえ学芸員とキュレーターの間に厳然とした境界線はなく、どちらも企画立案して展覧会を開催する専門職であることに変わりがない。はっきりとした区分けがないということでいえば、教育普及活動を専門としているエデュケーターと呼ばれる職も学芸員として認識されている。特に日本の博物館や美術館では、所蔵品の整理や管理、教育普及などの仕事が、細分化される傾向にあっても十分には専門化されず、少数の学芸員が様々な役割を担っていることが多い。