代々の中国王朝が築き上げてきた芸術の精華を集めたコレクションが、北京の故宮博物院と並び評される世界最高峰の中国美術の博物館で、台湾の首都・台北にある。元々は、北京の紫禁城にあったコレクションで、1925年に開設された北京故宮博物院から、第二次世界大戦後の内戦に伴い、敗走した国民党が大陸から台湾に優れた作品の多くを台北に運び、65年に開設された。その貴重なコレクションが、2014年、東京と福岡で「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」展として初めて公開されることが決まった。東京国立博物館は、6月24日から9月15日までの会期で185件、九州国立博物館は、10月7日から11月30日まで、110件が出品される。なかでも清朝末期の作とされる玉器の逸品「翠玉白菜」の出品が話題となっている。白と緑の翡翠の色をうまく利用して白菜そっくりに彫りあげ、全体に気品が漂い、精密さにおいて見る者を驚かせ、心をとらえて離さない逸品。