2003年10月18日に、東京の六本木ヒルズ森タワー内53階にオープンした都市型美術館。展示室がビルの高層部分にあるのは極めて珍しい。現代美術の企画展示が中心で、絵画、彫刻、建築、ファッション、インスタレーションなど様々なジャンルを扱い、世界各地の現代美術を紹介している。10周年を迎える13年の1月には、現代日本画の旗手の一人として活躍している会田誠展「天才でごめんなさい」が開催されたが、四肢を切断された裸の少女が性器を出している絵などが、児童ポルノで性的虐待を肯定しているものとして性暴力に反対する市民団体から批判された。それに対し美術館側は、一部入場制限を設けたものの、作家の本質を示すためには多様な作品を網羅的に紹介することが必要で外すことはできないとの立場をとった。このように、現代美術における性的表現の自由と、公共空間への展示の賛否を考えることを提議した展覧会となった。10周年記念展としては、同年4月から開催の「LOVE展」を皮切りに、14年5月6日まで開催される「アンディ・ウォーホル展」などがある。