アメリカのポップ・アートを代表する芸術家(1928-87)。50年代は、商業デザイナーとして活躍していたが、自らのアトリエを「ファクトリー」と呼び、制作を分業化、60年代初頭にキャンベルスープの缶詰の缶や女優のマリリン・モンロー、歌手のエルビス・プレスリーなどの人物像をフォト・シルクスクリーンで表現した。このイメージを繰り返し描き出す手法を使って反絵画的・反芸術的な絵画を制作し、一躍ポップ・アートの代表的な存在となった。続けて、寝ている男をひたすら撮り続けた、上映時間6時間という16ミリによる最初の映画「スリープ」を63年に製作、前衛映画の製作者としても名をはせた。また、69年には月刊誌「インタビュー」も発刊し、文化全体に幅広く創作活動を続け、20世紀後半の芸術思潮に大きな影響を与えた。死後もその人気は衰えず、2014年11月の競売では、「3人のエルビス(Triple Elvis)」(1963年)など2作品が1億5100万ドル(約175億円)で落札された。生まれ故郷のペンシルベニア州ピッツバーグ市には「アンディ・ウォーホル美術館」がある。