コンセプチュアル・アート(概念芸術)の第一人者として欧米でも評価の高い美術家(1933-2014)。1951年愛知県の刈谷高校を卒業後上京し、翌年から読売アンデパンダン展、ニッポン展に出品した。ニッポン展に出展した作品、鉛筆による素描で人間の姿をグロテスクに表現したドローイング「浴室」シリーズ(1953-54)や、「物置小屋の出来事」シリーズ(54)で評判を得た。59年から欧米を旅行し、65年以降ニューヨークに住み、翌年から黒や灰色で塗ったカンバスに制作した年月日だけを描いた「日付絵画(the Today Series)」や、日記風の絵葉書などを通して、日常生活のなかの時間を見つめたコンセプチュアル・アートを確立した。「I AM STILL ALIVE」というツイッターを使った作品もある。2015年2月6日から3月3日まで、アメリカのグッゲンハイム美術館で回顧展「On Kawara-Silence」が開催された。