約3年にわたる大規模改修工事を経て、2014年11月22日にリニューアルオープンした東京・白金にある都立美術館。東京都指定有形文化財である旧朝香宮邸の建物を活用して美術館活動を行うことで多くの美術ファンを魅了してきた。ただ、限定された建物での展示に限界もあり、より幅広い美術館活動を目指して改修工事がなされた。1933年建造の旧朝香宮邸はフランスのアール・デコ様式を本格的に取り入れた歴史的建造物で、これまでも保存を目的とした改修工事が行われ、居間の壁紙、カーテンの復原などに力が注がれた。今回はさらに、以前あった新館にホワイトキューブの展示空間が新設された。歴史的建造物の本館との融合により、従来の展覧会機能に加え、現代美術の展覧会の対応、さらに、映像、音楽、舞台芸術などのパフォーマンスも行えることで新しい時代の美術館活動の展開が期待される。リニューアルオープン記念として、オープン日から12月25日まで、「アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる」展と、1997年ヴェネチア・ビエンナーレで注目を浴びた現代美術作家の展覧会「内藤礼 信の感情」展が開催された。