2006年7月にオープンした県立美術館。設計を担当した青木淳(あおきじゅん 1956~)は、市松模様のパターンを効果的に使うルイ・ヴィトンの店舗デザインなどで知られる。青森県立美術館では、三内丸山遺跡が隣接することから、発掘現場の雰囲気を延長し、地面を凹凸に掘り込んだ土の展示室をもつ。三和土(たたき)の床と版築(はんちく)による土の壁は、美術館としては画期的な試みである。その上に白い展示室が入る凹凸の構造体をかぶせることで、土の展示室との間に不思議なすき間を生む。白い空間と土の空間が絡み合う迷宮のような美術館は、新しい建築の形式を創造している。