建築の構造形式を設計すること。耐震偽装の問題によって構造設計という職能がにわかに注目されたが、デザインの領域でも構造家の役割が重視されている。その背景には、コンピューターが発達し、複雑な形態の構造解析が可能になったことが挙げられる。実際、「森の学校」キョロロにおいて鉄板に囲まれた構造を手がけた池田昌弘(いけだまさひろ 1964~)のほか、金箱温春(かねばこよしはる 1953~)、金田充弘(かねだみつひろ 1970~)、佐藤淳(さとうじゅん 1970~)など多くの構造家が注目された。佐々木睦朗(ささきむつろう 1946~)は、生物の進化や自己組織化の原理を工学的視点からとらえ、合理的かつ流動的な構造をもつ、有機的な形態を創出する方法を提唱し、建築家を刺激している。