複数のメンバーが対等な立場で共同設計を行う、建築事務所のこと。そもそも建築事務所とは、建築家の集団であり、映画制作のように集団的な創作を前提としているが、通常は代表的な個人名を掲げる。しかし、1990年代の後半から、みかんぐみ(加茂紀和子/曽我部昌史/竹内昌義/マニュエル・タルディッツ)やアトリエ・ワン(塚本由晴:1965~/貝島桃代:1969~)など、個人名に縛られない、およそ建築家らしくない名称の事務所が増えた。作風もモニュメンタルな建築ではなく、日常生活の延長として、サブカルチャー的に建築をとらえる傾向がある。手塚貴晴と手塚由比のように、夫婦が共同したり、女性のメンバーを含む組織も多い。ユニット派が目立つ背景には、女性の建築家が増えていることが挙げられる。