12世紀後半にパリ周辺において成立した教会建築の様式。ルネサンスの時代に「ゴート人風」と侮蔑的に呼ばれたことが「ゴシック」の語源である。尖塔(せんとう)アーチ、リブ・ヴォールト、飛梁などの新しいデザインと構造的な工夫によって、ステンドグラスを透過する神秘的な光にあふれ、垂直線を強調した聖なる大空間を実現した。パリやケルンなど、多くの大聖堂はゴシック様式である。中世後期のフランスから全ヨーロッパに伝播し、各地で異なる展開が起きた。19世紀にはゴシック・リバイバルの運動が発生し、イギリスの国会議事堂などの公共建築にも応用される。