アメリカを代表する建築家(1867~1959)。20世紀の初頭、プレーリースタイルと呼ばれる、水平線を強調した住宅で頭角を現した。その際、閉じた箱としての部屋を解体し、空間に流動性を与えたことも特筆される。モダニズムが機械のような建築をめざしたのに対し、ライトは大地に根ざした有機的な建築を提唱した。代表作の落水荘(35年)は、森のなかで滝の上に張りだした住宅であり、環境に溶け込む。日本にもしばらく滞在し、明治村に移築された旧帝国ホテル(23年)などを手がけた。ここでは幾何学的装飾を多用した濃密な空間を実現している。