極端にわかりやすいキャラの造形をもつ建築のこと。こうした傾向は、21世紀に入り、ドバイや中国で急速に増える高層ビルに認められ、アイコン建築と呼ばれるようになった。ドバイでは、世界一高いブルジュ・ハリファのほか、3本のビルが踊るかのようなザハ・ハディド(1950~)設計のダンシング・タワーズや各層が回転するウィンド・スクレイパーなどが計画されている。ドバイは急成長を遂げているが、今後訪れる石油の枯渇に備え、観光的な価値を高めるために、アイコン建築がつくられた。またフランク・ゲーリー(1929~)など、スター建築家のデザインも類似した性格をもち、世界各地で求められている。かつてのモダニズムは均質な直方体のビルを流布させたが、現在はコンピューターの技術革新により、どんなに奇妙な形状のデザインでも実現しやすくなったことは、アイコン建築の増加の一因となった。