2007年、横浜国立大学の大学院に創設された新しい建築デザイン教育のコース。Y-GSAは、横浜建築都市スクールの英語表記Yokohama Graduate School of Architectureを略したものである。Y-GSAは山本理顕(やまもとりけん 1945~)を校長として招き、「建築をつくることは未来をつくることである」という強烈なマニフェストを掲げて出発した。特殊な2年制修士プログラムでは、山本のほか北山恒(きたやまこう 1950~)、飯田善彦(いいだよしひこ 1950~)、西沢立衛(にしざわりゅうえ 1966~)という4人の建築家がそれぞれスタジオと呼ばれる設計課題を受けもち、都市や社会との関連から建築のあり方を学生に問いかける。学生は半期ごとにそのうちのひとつを選択し、4つのスタジオすべてを履修することで卒業となる。他校とは違い、特定の研究室に所属せず、修士論文や修士設計もない。地元の横浜と関連するプロジェクトを進めたり、市民公開講座も積極的に開講している。国際的に活動できる建築家を育成することをめざした教育システムゆえに、今後の展開が注目されている。