BIMとは「ビルディング・インフォメーション・モデリング」の略であり、デザインのさまざまなプロセスの情報をデータ化し、建築の設計者のみならず、発注者から施工者までを巻き込む新しいデザイン・ツールのこと。つまり、従来のCAD(キャド:コンピューターを使って設計の調整を図ったり、デザインしたりすること。computer-aided designの頭字)によって、自由な3次元の造形を可能にする設計というだけではない。法規、設備、環境、材料、運搬、管理、コストなどの諸情報と連動しつつ、施工過程や積算をあらかじめコンピューターでシミュレーションできる統合的なシステムであり、建築業界に革命をもたらすと期待されている。日本では2009年に関連の書籍やシンポジウムが開催されたことから、BIM元年と呼ばれ、これを用いた日建設計や積水ハウスなどのプロジェクトが話題になった。 10年3月、国土交通省からも、官庁の営繕工事でBIMを試行し、コスト削減、品質確保、顧客満足度などの効果を検証することが発表された。