1950年7月に設立された、大手の組織系設計事務所。一級建築士821人など多くの建築士を抱え(2016年4月現在)、集団で建築の企画・設計監理を行う。東京タワー(1958年)、東京ドーム(88年)、東京スカイツリー(2012年)など大規模なランドマークやビルの仕事を得意とするが、東京・竹橋のパレスサイドビル(1966年)で指揮を執った林昌二(はやししょうじ 1928~2011)をはじめ、組織という形態をとりながら著名な建築家も輩出した。山梨知彦(やまなしともひこ 1960~)のチームによるホキ美術館(2010年)や旧ソニーシティ大崎(現・NBF大崎ビル 11年)も、コンピューターを活用した新しいデザイン性が評価されている。近年の日建設計は、歩行者の負担軽減と誘導を兼ねて陸上競技のトラック用のゴムチップを敷いた成田国際空港第3旅客ターミナル(2015年)、江戸切子から想を得たファサードをもつ東急プラザ銀座(2016年)、豊洲新市場を手がけている。また海外ではヨーロッパ最大級サッカースタジアムであるスペイン・バルセロナのカンプ・ノウ新スタジアム(2022年に竣工予定)のコンペに勝利し、既存の驅体(建物の主要部分)を生かしつつ、軽量な膜屋根や開放的なコンコースを提案した。