ライターで編集者の速水健朗(はやみずけんろう 1973~)が、著書「都市と消費とディズニーの夢―ショッピングモーライゼーションの時代」(2012年)で提唱した造語であり、ショッピングとモータリゼーションを組み合わせたもの。モータリゼーションは近代以降、アメリカを嚆矢(こうし)として自動車を前提とした社会の変化を表す言葉だが、ショッピングモーライゼーションは、本来、公共性の高いスペースが、経済効率や収益性などの市場原理を導入して、都市を変容させることを意味している。例えば、2012年は東京スカイツリーや東京駅舎の復原が注目されたが、ただの公共的なインフラにとどまらず、いずれも集客が見込めるという理由から商業空間が当たり前のように付随されている。かつては郊外に大型のショッピングモールが出現したことが新しい現象として話題になったが、今や都市の内部さえも、競争原理によって公共機能が地価にあわせたショッピングモール的な空間を抱え込んでいる。