1964年の東京オリンピックでは、首都高速道路が建設されるなど、大胆な都市改造が行われたが、すでに成熟した東京では、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けては、マイナーチェンジの変更になる。具体的には、1996年に開催する予定だった世界都市博覧会の中止で遅れていた臨海部の開発促進、スタジアムと選手村をつなぐ交通動線として環状2号線の整備、地下鉄延伸などだ。オリンピック・パラリンピック招致委員会は、大半の競技会場を選手村から半径8キロ内に設置するコンパクトな大会を提案、新設の競技会場は臨海部に集中し、選手村は晴海ふ頭につくられる。また会場周辺には88ヘクタールに及ぶ都市公園「海の森」を整備し、このエリアは大会終了後もスポーツエリアとなる予定だ。一方、新国立競技場について、建築家の槇文彦(1928~)が巨大過ぎることや歴史的な景観の破壊を批判したことを契機に、一般のメディアを含めて、コンペに勝利していたザハ・ハディド(Zaha Hadid 1950~)の未来的なデザインが改めて話題になった。2013年10月11日にはシンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」も開催されるなど、多くの建築家が意見を表明している。また建設費が想定よりも膨らむことも問題視された。規模の縮小も検討されているが、今後の動向が注目される。