2014年6月にオープンした、52階建ての超高層ビルを軸とした再開発。日本設計がデザインを手がけた。環状2号線の道路の真上にビルを建設しつつ、地下の道路の傾斜を反映させ楕円の広場やアトリウムなどの屋内外の空間が緩やかに上昇したり、ストリートの感覚を導入した立体的な計画が特徴である。通称マッカーサー道路と呼ばれた環状2号線は、米軍占領下の1946年に都市計画が決定されていたが、地権者との交渉で折り合いがつかず、長い間凍結されていた。しかし、89年に立体道路制度が創設され、道路の上空に建築物を建設して地権者の権利を移転することが可能になったことで森ビルが参画し、計画が再起動した。敷地内に環状2号線の地下トンネル入り口があり、中央分離帯に沿って柱を打ったために、南側の壁面は地下の道路のカーブに沿っている。またビル内ではホテルや住宅、オフィス、店舗、ホールなど、フロアごとに異なる機能に最適な柱スパンを変える複雑な構造設計が行われた。道路という公共インフラと、収益機能をもつ民間の施設が融合し、まちをつくる新しいタイプの都市開発の手法である。