月刊誌「新建築住宅特集」の新人賞であり、住宅を通して設計の新たな展開に大きな可能性を感じさせる新人を奨励すべく、1987年に創設。年に一度選考を行う。名称は「新建築」誌を創刊した吉岡保五郎(1888~1972) にちなむ。現在は若手建築家の登竜門として認知されている。2014年は第30回を迎え、建築家の西沢大良と塚本由晴が二段階の審査を行い討議して受賞者を決定した。従来は2組が選ばれていたが14年から1組の選好となったため、今までとは異質な受賞作「富塚の天井」(The Ceiling of Tomitsuka)が反響を呼んだ。建築ユニット403architecture[dajiba]によるこの作品は、住宅全体を彼らが設計したものでなく、既存の築40年2階建て木造住宅の一部を改修したプロジェクトである。審査では、彼らの、近代的な作家主義ではなく静岡県浜松市を拠点とし、地域の人々との関係性から連作をデザインする態度が評価された。