1994年、アメリカのオレゴン州ポートランドで結成されたジャズオーケストラ。リーダーはピアニストのトーマス・ローダーデイル(Thomas Lauderdale 1971~)。1980~90年代のヨーロッパ発のワールド・ミュージックよりさらにポップで、しかも取り上げる曲の幅が広い。ソロ歌手は多種多様の言語をこなし、由紀さおりの曲を日本語で歌ったり、77年に亡くなったエジプトの人気スターの持ち歌をアラビア語で歌ったりと、かつてのワールド・ミュージック時代には誰も試みなかった大胆なことをやっている。アメリカ国内はもとよりフランスでもかなりの売り上げを記録して話題となり、2010年3月には日本でもCD「草原の輝き」が発売になり、この日本デビューに合わせて来日、スペシャルライブが行われた。今ごろになってアメリカからワールド・ミュージックをも越えた試みが飛び出してきた、とさえ言えそうだ。