演奏が揺れ動いて心地よくはずむこと、もしくはその感覚。楽器演奏や歌唱においてリズムの強弱の組み合わせや微細なズレを工夫することから生まれる。また、特定のジャズのスタイルを指す言葉でもある。スウィングする演奏は、もともと黒人のジャズ楽団が得意としていたが、1930年代後半にはベニー・グッドマン楽団、アーティ・ショウ楽団ら、白人のビッグ・バンドの演奏がダンス音楽として人気を集め、スウィング・ジャズと呼ばれた。ただしベニー・グッドマン楽団の編曲には黒人のフレッチャー・ヘンダーソン(Fletcher Henderson 1897~1952)が貢献していたし、チック・ウェブ、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、ジェイ・マクシャンなどの黒人楽団もスウィング・ジャズの時代に数多くの名演を残している。