フォーク・ミュージックは広義には世界各地の伝統的な民謡や民俗音楽を意味する。狭義にはギターやバンジョーなど主に弦楽器の伴奏でうたわれる英語圏の民謡や民謡風の曲を指し、1950年代以降ポピュラー音楽の一種として親しまれている。フォークの父ウディ・ガスリー(Woody Guthrie 1912~67)の歌は20~30年代のカントリー・ミュージックとつながりが深く、彼の影響を受けたピート・シーガー(Pete Seeger 1919~)は世界各地の伝統的な音楽も幅広くうたっていた。50年代末以降はキングストン・トリオ(The Kingston Trio)、ジョーン・バエズ(Joan Baez 1941~)、ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)、ボブ・ディラン(Bob Dylan 1941~)らの若手が活躍し、社会派の歌は公民権運動の中で広くうたわれた。アメリカのフォーク・ソングの影響で、日本でも60年代から70年代にかけてマイク真木、森山良子、岡林信康、赤い鳥、吉田拓郎、井上陽水、南こうせつとかぐや姫などの歌が注目された。ブームは去ったが、ギターやバンジョー弾き語りの音楽は、いまもしばしばフォークと結びつけて語られる。