狭義には、ジャズが多様化するなか、ジャズ誕生の地ニューオーリンズのジャズの伝統的なスタイルに戻ろうとして1940年代に生まれたスタイル。ディキシーランドはアメリカ南部諸州を意味するが、この言葉にも音楽にもアメリカ人の南部に対する郷愁をかきたてる響きがある。楽器編成はトランペット(あるいはコルネット)、トロンボーン、クラリネット、ピアノ、ベース(またはチューバ)、バンジョー(またはギター)、ドラムが基本で、サックスが加わることもある。主な演奏者にエディ・コンドン、ルー・ワッターズなど。ルイ・アームストロングのようなニューオーリンズ出身のベテランが50年代以降はビッグ・バンドを解散し、ディキシーランド・スタイルの演奏で人気を集めたこともあって、現在では、広義には、初期のニューオーリンズのジャズまで含めてディキシーランド・ジャズと呼ばれることも多い。