4世紀頃にゲルマン民族がヨーロッパ西部を侵略するまで、その地にはケルト人が暮らしていた。ケルト人の末裔(まつえい)とされる人々と文化はいまもアイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランスのブルターニュ、スペインのガリシア、アストゥリアスなどヨーロッパの西端各地に散見される。1980年代後半のワールド・ミュージックのブームの後、その地域の民謡や民謡の要素を反映した音楽がケルティック・ミュージックと総称されるようになった。60年代から活躍するアイルランドのチーフタンズ、70年代から活躍するブルターニュのアラン・スティーヴェルらに続き、80年代にBBC放送のドキュメンタリー番組「ザ・ケルツ」の音楽を担当したエンヤ(Enya)のソロデビュー・アルバム「オリノコ・フロウ」が爆発的にヒットしたことで、ケルト音楽に対する認知度が高まった。90年代にはアイルランド民謡をもとにした音楽で踊るリバーダンスのショーが世界的人気を博した。主なアーティストとして他にデ・ダナン、ドーナル・ラニー、アルタン(アイルランド)、カルロス・ヌニェス(ガリシア)など。