グッチのクリエイティブディレクター。2015年1月に就任。グッチの全コレクション(メンズ、ウィメンズ、アクセサリー、小物、雑貨など)とブランドイメージにおける全てのクリエイティブを統括している。1972年イタリアのローマ生まれ。ファッションアカデミー卒業。フェンディのシニアアクセサリーデザイナーとしてキャリアをスタートし、その後トム・フォードに才能を見いだされ、ロンドンベースのグッチのデザインオフィスに入社。12年間の在籍の中で、レザーグッズのデザインディレクター(2006年)からクリエイティブディレクターに次ぐアソシエイト・クリエイティブディレクターに昇格(11年)。ヘッドであったフリーダ・ジャンニーニ辞任のあと、クリエイティブディレクターに抜擢。14年から、グッチ傘下にあるフィレンツェの高級陶磁器ブランド、リチャード・ジノリのクリエイティブディレクターも兼任。飽きられつつあったミニマリズムやノームコアの流れの中で、「ジェンダーレス」や「折衷主義」を掲げ、男女ともに、フリルやリボン、プリントなどの装飾性とストリート感覚、トラッドなどをミックスした独自の世界観を展開、従来のグッチにはなかったロマンティックで、ガーリッシュ(ボーイッシュ)、繊細な装飾性に富んだ作風でファッション界の潮目を変えた。伝統のロゴやWEBカラー(グッチを象徴する緑、赤の配色)を復活、大ヒットさせた。2017年秋冬のキャンペーンフォトには「ジャポニズム」をテーマに、パチンコのネオン、デコトラなどキッチュな装飾にあふれた現代日本の風景をクローズアップした。文化活動、チャリティーにも注力しており、18年初頭に、グッチ発祥の地イタリアのフィレンツェのメルカンツィア宮殿に「グッチガーデン」をオープン。これは前任者のフリーダ・ジャンニーニが手がけた「グッチミュゼオ」を自身のスタイルに完全に作り替えたもの。ブランドの博物館であり、限定品の販売もしている。入場料の半分はフィレンツェ市の修復プロジェクト支援のために寄付される仕組みとなっている。