ファッションのIoT化が進んでいる。IoT(Internet of Things)とはインターネットに身の回りのあらゆるものがつながる仕組み。ゾゾスーツが象徴的だが、現在は多様なアプローチがなされ続々と新製品が登場している。ファッション業界では、eコマースを中心に、顧客がより自身の状態を反映して服を選ぶことが予測され、それに応じたIoTの増加が見込まれている。例として店舗では三越伊勢丹の世界初の「memomi」がある。メモリー機能付きのデジタル処理を施されたミラーで試着した姿を360度から確認でき、歪みの補正、様々な角度からの画像比較、衣服のカラー変化などが可能で、保存した画像はSNSで共有することもできる。また身に着けているだけで心拍、血圧などを感知し、精神状態を把握し、ストレス解消や感情コントロールの提案をしてくれるウエアラブル端末を使い、スマートジュエリーやブレスレットの提案も登場している。またRFID(radio frequency identifier)も利用されている。これはID情報を埋め込んだRFタグで管理することで、試着室のミラーがスクリーンになり、希望の服の特徴を入力すると販売員が近い商品を持ってくるというシステムで、商品製作から、販売、クローゼットのシェアなど、様々なシチュエーションで開発と実用化が進んでおり、ファッション界では、最も注目されている分野である。また、2018年初頭に、ドイツでは、ベルリン交通局(BVG)とアディダスが共同開発した乗車券内蔵のスニーカーが限定500足発売されて話題になった。ベルリン交通局開業90周年を記念したもので価格は180ユーロ(約2万4000円)で、履けば1年間交通機関乗り放題になる。1年間有効な乗車券の価格は通常730ユーロで、靴の価格より高い。すでにプレミアムがつく人気になっている。