格安航空会社(LCC)のスカイマークエアラインズが、2012年5月18日から機内の座席ポケットに備え付けた文書。「(1)お客様の荷物はお客様の責任において収納をお願いいたします。(後略)」に始まり、「(2)お客様に対しては従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません。(後略)」「(5)客室乗務員の私語等について苦情を頂くことがありますが、客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており接客は補助的なものと位置づけております。(後略)」「(8)機内での苦情は一切受け付けません。(中略)ご不満のあるお客様は『スカイマークお客様相談センター』あるいは『消費生活センター』等に連絡されますようお願いいたします。」といった文言が並び、消費者から賛否両論の声が挙がった。LCCの相次ぐ参入で、大手航空会社対LCC的な構図になるなか、新たなサービスの形を巡って起きた接客指針の問題といえる。スカイマーク側としては、機内サービスのコンセプトをわかりやすく説明するとともに、安全運航に協力を願う意図を表明しようとしたのだが、消費者側では、「サービスの簡略化」については一定の賛意を示しつつも、一方的な物言いが多くの人たちから反発を買った。また、東京都消費生活総合センターが、「消費者からの苦情は企業自らが責任を持つべきだ」として抗議。さらに消費者庁からも文書回収を要請され、結局翌月から改訂版を搭載することとなった。改訂個所は、苦情に対して公的機関へ問い合わせる旨の記述が削除され、「スカイマークお客様相談センター」だけになったこと。同時に、一部の文章の表現が軟らかく変更された。