東京駅丸の内駅舎を設計した辰野金吾による旧万世橋駅が、新たに生まれ変わった商業施設。カフェなどの飲食や物販など、合計11のショップで構成されている。1912年(明治45)に完成した万世橋高架橋は、43年に惜しまれながら廃止となった。一方、36年に併設された鉄道博物館(→「京都鉄道博物館」)は、48年に交通博物館として生まれ変わり、2006年まで続いたが、老朽化等の理由で埼玉県さいたま市へ移転。残されたプラットホームや階段、壁面などの遺構をよみがえらせる形で再開発されることとなった。オープンは、13年9月14日。JR東日本グループが推し進める駅改札内「エキナカ」活性化プロジェクトの一環で、「エキュート」の名で展開する新たなビジネスモデル「駅構内開発小売業」としては、05年の大宮駅から数えて八つ目となる。この万世橋高架橋は、JR中央線の御茶ノ水駅と神田駅の間に位置し、万世橋付近から神田川に沿って外堀通りまで続く赤レンガ造りとなっており、プラットホームを活用した展望デッキやカフェでは、電車の行き交う状況が楽しめる。また、常設ショップには個々の商業施設では見かけない個性的な店が並ぶ。今後はにぎわいの場が創出されるような、地域と密着したイベント等が行われる予定。営業時間は物販が11~21時(日祝20時まで)、飲食・カフェは11~23時(日祝21時まで)。