西日本旅客鉄道(JR西日本)が、2016年春の開業を目指し、JR京都駅近くの梅小路公園内に建設する新たな「鉄道博物館」。隣接する1972年開業の梅小路蒸気機関車館と一体で運営され、両者を合わせた展示面積は約3万1000平方メートルに及ぶ。蒸気機関車から新幹線まで、各時代で活躍した歴史的価値の高い車両を50両ほど展示。蒸気機関車は23両、新幹線は6両、ディーゼル機関車及び電気機関車はそれぞれ4両ずつを予定している。14年4月6日に営業を終了する交通科学博物館(大阪市港区)の所蔵展示物も、新たな博物館に移される。これにより、展示規模はさいたま市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道博物館を上回り、国内最大となる。「見る、触る、体験する」を重視し、動く状態で保存している蒸気機関車に乗ったり、間近で観察したりできるようにする。さらに在来線の線路を博物館まで引き込み、現役の営業車両も交代で展示する。現役車両の展示は国内初。車両工場をイメージした館内では、点検通路から車両の屋根を見下ろせる。一方、車輪などの構造を真下から見られるよう、電気機関車を持ち上げて展示する。年間80万人の来館者を見込む。国内観光や訪日外国人誘致(→「訪日旅行促進事業」)のために、このような新たな施設が京都で建設されることで、「東京一極集中化現象」に抗して、関西圏の活性化に寄与することが期待されている。