野良ネコを地域社会で飼育するネコとして受け入れようという発想でとらえた言葉。ネコ好き、ネコ嫌い双方による話し合いで餌付けのルールや去勢・避妊の徹底などを取り決め、住民に迷惑をかけることなく、一代限りの生を全うさせようというもので、野良ネコ問題や野良ネコを巡る住民対立の解決策として、効果を発揮し始めている。1997年、横浜市磯子区が「ホームレス猫防止対策事業」として区内の団地に「地域猫」を実現させたことで、社会的な注目を浴びた。以後、行政と地域とが連携した「地域猫活動」が各地に広がりを見せている。環境省の中央環境審議会は2006年施行の改正動物愛護管理法に基づいて公表した基本指針の中で、自治体によるガイドラインなどの策定によって、地域猫の適正管理を推進するよう方向づけている。これらの流れを受け、不妊・去勢手術の費用を助成する自治体も増えつつある。