ペットとして輸入された外国産動物が捨てられたり逃げ出したりした結果、自然環境の中で繁殖している状態のこと。生息しているだけで繁殖していない場合は、野生化とはいわない。日本在来種への圧迫や交雑など、生態に与える影響が大きな問題になっている。例えばアライグマの野生化は農作物被害を増大させ、かつ在来種であるタヌキの生態的地位を脅かすと危惧されている。ブラックバスも在来の淡水魚の生存に大きく影響している。また、カミツキガメは人への危害が心配されている。2005年施行の特定外来生物被害防止法(外来生物法)は、影響の大きな動物を特定外来生物に指定、飼育や輸入を禁止し、野生化したものについては駆除対策を進めている。また発光する熱帯魚など遺伝子組み換え生物については、04年2月施行のカルタヘナ法(遺伝子組換え生物等規制法ともいう。正式名称「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」)により、その輸入や飼育などに政府の承認が義務づけられた。一方で、植物防疫法で輸入禁止になっていた外国産カブトムシやクワガタムシは1999年に輸入解禁になっているが、外来生物法による規制対象になっていないため、ペットとしての人気が高く、輸入量は増加している。しかし、逃げ出したものと在来種との交雑も確認され始め、雑種化が問題になりつつある。