2011年に中国で初めて特定された新しいウイルスによるマダニ媒介感染症。人畜共通感染症の1つ。SFTSウイルスはフレボウイルス属に分類される。13年1月に国内で初めて患者が確認された。西日本を中心に感染が拡大している。厚生労働省によると、14年2月25日までに13県で53人が発症し、うち21人が死亡した。SFTSは、感染後6日~2週間の潜伏期間を経て発症する。症状は、発熱、消化器症状(おう吐、下痢、腹痛など)、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫大、出血症状(皮下出血、下血)など。検査所見では白血球減少、血小板減少がみられる。人以外の動物では、自然界でマダニにかまれることの多いシカ、イノシシ、猟犬に対する調査で、それらの動物が抗体を保有していることが報告されている。しかし、多くの動物はSFTSウイルスに感染しても発症はしないと考えられている。