カーテンのように窓から差し込む陽光をやわらげる葉陰、またはその植物のこと。従来、家庭では夏日を避けるために南面にアサガオのネット栽培や、藤のようなツル性植物を絡ませる棚(パーゴラ)がつくられていた。植物を植えることによって厳しい夏の日差しを遮るばかりでなく、植物の葉の気孔から水分が蒸散することによって温度の上昇が抑えられる。ともにエアコンで28℃に設定した部屋で、直射日光が差し込む室内(遮光率15%)での体感温度が45℃だったのに対して、窓を60%覆う緑のカーテンを通した場合の体感温度は34℃というデータ(中部電力の調査より)もある。冷房のように電気を使わないので、発電のための化石燃料などが要らず、省エネルギーとなる。緑のカーテンの効果については、東京都板橋区立第7小学校の6年生がキュウリやアサガオ等のネット栽培を教材とした総合学習の授業で、2004年に地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受け注目された。緑のカーテンに使用する植物はアサガオ、フウセンカズラや、実が楽しめるヘチマ、ゴーヤのような1年草のつる性植物が一般的。庭がある場合は、冬は落葉するクレマチスのようなつる性宿根草も利用できる。つるバラ、ブドウなどの落葉性つる性木本類は棚仕立てなどで栽培するとよい。(→「屋上緑化/壁面緑化」)