作物も栽培計画も自分で決める市民農園と違って、農園主が決めた作物と栽培計画に市民が参加し、種まきや収穫などの要所を体験するもの。近年増加傾向にある耕作放棄地に、緑肥、除草効果などの役に立つ菜の花やレンゲ、コスモスなどの景観作物を植えたり、体験農園に活用し、地域の活性化を図る動きが目立ってきた。耕作放棄地対策は自治体などがそれぞれ独自に行っているのが現状で、例えば神奈川県津久井郡では郡内のJA(農業協同組合)と町教育委員会が協力して耕作放棄地を学校農園とし、技術指導、耕運作業などの支援を行っている。神奈川県では2003年以降耕作放棄地を借り上げ、退職者などに1年間の体験研修を行って栽培技術等を習得してもらい、2年目以降希望者は借用農地で本格的耕作ができるプログラムを実施。また東京都では10年度より10年構想で、緑地確保の実現に向けて民間基金と連携。緑化に取り組む市民団体に助成し、滞在型体験農園クラインガルテン(→「市民農園」)を普及させる。一方国レベルでも農林水産省が、耕作放棄地の発生抑制・解消に向けた取り組みの一環として、10年度より市民農園や教育ファームなどの施設等の保管整備を支援する耕作放棄地再生利用交付金制度を設けた。