2004年に独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構花き研究所(当時)が育成したカーネーションの品種。どちらも一般的なカーネーションより3倍以上切り花の日持ちが長い(気温23℃、湿度70%程度で18~21日程度)のが特徴。植物ホルモンの一種であるエチレンは、多くの種類で切り花の老化に深くかかわっている。なかでもカーネーションはエチレンに敏感に反応する種類で、空気中のエチレン濃度が高い場合や、内生エチレンを多く生成しやすい品種では、花弁が急速に萎凋(いちょう)して切り花の日持ちが短くなる。花き研究所では、1992年に「パラス」、「サンドローサ」、「キャンディ」、「ホワイトシム」、「タンガ」、「スケニア」の6品種を親として交配を行い、その後10年をかけて交配・選抜を繰り返し、内生エチレンの生成量が少ないこの2品種を開発した。どちらも一茎一輪咲きのスタンダード系で、「ミラクルルージュ」は名前の通り深みのある赤色が特徴。一方の「ミラクルシンフォニー」はオフホワイト地に赤の絞りが入る。