カメムシ目のアブラムシ上科に属する昆虫の総称。アリに甘露(排泄物[はいせつぶつ])を与える代わりに天敵から守ってもらう習性があることからアリマキとも呼ばれる。日本には700以上の種がいるが、モモアカアブラムシやワタアブラムシが代表種。体長は2~4ミリ程度の種類が多く、体色は濃緑、淡緑、赤、黒、茶、黄色など種類により様々。春から夏にかけて、雌が単独で卵胎生単為生殖により既に胎内に子を宿している雌を産む。生まれた幼虫は1週間ほどで成虫になり、これも交尾せずに子供を産み始める。1匹が1日で10匹の子供を産むために1匹が3週間で4万匹に増える。過密状態になるとホルモン分泌が変わって有翅個体が産まれるようになり、新たな場所へ移動していく。秋には雄の幼虫が現れ、交尾して越冬卵を産卵するが成虫は越冬できない。アブラムシは糖を含んだ排泄物を出すために葉がベタつき、カビが生えてすす病になる。また、葉を巻いたり、虫えい(虫こぶ、グール)をつくって生育不良にする種類もいるが、最大の被害はウイルス病を媒介することである。防除には登録農薬を散布するほか、テントウムシ類やクサカゲロウ、ヒラタアブの幼虫などの天敵を利用する。