地上デジタル放送(地デジ放送)やBSデジタル放送などのデジタル放送は、一定レベル以上の電波さえ受信できれば、「ゴースト(ghost)」と呼ばれる二重映りなどのない鮮明な映像とクリアな音声が得られる特長がある。たとえば、従来のアナログ放送の場合では、比較的電波塔に近い強電界地域であっても、地形や周辺の建物の影響により、室内アンテナでは満足な受信ができないことがあった。だが、地デジ放送なら、室内アンテナでも、屋外アンテナを設置するのと同等の品質で映像と音声が得られる可能性が出てきた。また、他の例としては、アナログ放送の場合、宅内でアンテナ線が届かず、テレビの視聴をあきらめていた部屋でも、地デジなら、室内アンテナを追加して視聴できる可能性が出てくる。そのため、地デジ用の室内アンテナに注目が集まり、需要が増えている。なお、デジタル放送の場合、一定レベルの電波が受信できない場合、映像や音声が途切れたり、完全に停止する点では、アナログ放送よりも弱い面がある。電波塔から遠く、電波が届きづらい弱電界地域では、地デジ用室内アンテナの効力は薄いので注意が必要となる。