従来のサラウンドサウンドは、おおむね視聴者の耳の高さを基準として複数のスピーカーで取り囲んで、水平方向の広がりや距離感を再現した。一方、イマーシブ・サラウンドは、耳よりも高い天井付近にスピーカーを加え、頭上方向への広がりや、上下の移動感までも再現しようとする、言わばサラウンドの3D(立体)化を実現しており、没入(=イマーシブ)感を高めるのが狙い。映画館やホームシアター用の規格としては、ドルビー社の「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」、DTS社の「DTS:X」、Auro Technologies社の「Auro-3D(オーロスリーディー)」などが存在する。
人間は日常生活でも頭上方向からの音を聞いていて、屋内でも、上方からの反射音で天井の高さや空間の様子を把握しているとされ、より人間の生理に沿ったサラウンドシステムと考えられている。