急なハンドル操作をしたり、滑りやすい路面を走行中に車両の横滑りを感知すると、自動的に車両の進行方向を保つように制御するシステム。「横滑り防止装置」と訳される。車載コンピューターの指令に基づいて各車輪に適切にブレーキをかけたり、エンジン出力を制御することで、車両の進行方向を修正維持して横滑りを防止する。アクティブセーフティー(Active Safety 予防安全)の考え方に基づく技術で、このシステムを搭載すると、カーブで曲がりきれなかったり、雨道でスリップしたりする事故が防ぎやすくなり、交通事故の発生率が3割ほど下がるという独立行政法人自動車事故対策機構(→「自動車アセスメント(自動車安全情報)」)の試算もある。日本では、装着に5万~10万円程度の価格上乗せとなることから、新車装着率は1~2割程度にとどまっているが、欧米では義務化している国が多く、ドイツではすでに2008年の段階で新車の8割が搭載済みとなっている。そんな状況を踏まえて、国土交通省は12年10月1日以降にモデルチェンジをする新型車から、ESC及び急ブレーキ時に制動力を加えるブレーキアシストシステム(Brake Assist System BAS)の装着を義務づけており、継続生産車も14年10月1日までに装着するよう求めている。ただし、軽自動車は設計変更の難しさから、新型車が14年10月1日以降、継続生産車は18年2月24日以降でも可となっている。