安全対策の一つとして、市販されている自動車の安全性能について試験による評価を行い、その結果を公表したもの。実車を使用して衝突試験など実際のデータを計測することで車種別の衝突安全性を評価する。アメリカでは1979年から「NCAP」として実施されており、日本では95年から運輸省(現・国土交通省)管轄の下で、自動車事故対策センター(現・独立行政法人 自動車事故対策機構 NASVA)が行い、通称「JNCAP」とも呼ばれる。ヨーロッパでも、「ユーロNCAP」として97年から実施されている。日本では、95年のフルラップ前面衝突試験、ブレーキ性能試験に始まり、側面衝突試験(99年)、オフセット前面衝突試験(2000年)などを徐々に追加。09年度からは、後面衝突頸部保護性能試験、前面衝突後席乗員保護性能評価、後席シートベルト使用性評価試験及び座席ベルトの非装着時警報装置評価試験が開始された。なお、01年からはチャイルドシートの安全性能比較試験も実施している。また、近年は緊急時に自動でブレーキをかけて事故を未然に防止できる技術が実用化され、普及が急速に進んでいる。これを受け、14年度より「予防安全性能アセスメント試験」として、衝突被害軽減制動制御装置(被害軽減ブレーキ)及び車線逸脱警報装置(車線はみ出し警報)の二つの装置について試験を行うこととなった。