ガソリンの代わりに水素をエネルギーとする自動車のこと。水素を燃料とするため、燃焼させて発生する排ガスは無害な水蒸気のみとなる。その種類は、水素で発電して走る燃料電池車(FCV)と、水素そのものを燃料とする「水素エンジン車」の2種類がある。前者はエネルギー効率に優れるものの、燃料電池の材料としてレアメタル(希少金属)を必要とするなど、製造コストが非常に高いことがネック。その点、後者はガソリン車用の部品が流用でき、低コストで提供できるというメリットを持つ。燃料電池自動車ではトヨタや日産、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)などが開発を進めているが、「水素エンジン車」はマツダやBMWが積極的。すでにマツダは2006年より通常のガソリンエンジンと水素エンジンを併せ持つ「RX-8ハイドロジェンRE」のリースを開始。これに続き、09年3月には第2弾として「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」のリースも始めた。一方BMWは08年4月に水素タンクのみを搭載した水素エンジン車「BMW HYDROGEN 7 mono fuel」を発表しており、すでに量産車ベースでの開発を終了。世界最高水準とされるアメリカ・カリフォルニア州の排気ガス規制「SULEV(Super Ultra Low Emission Vehicle)」基準のクリアも発表している。