世界一安全な道路交通社会の実現を目指し、2010年度からのITS(intelligent transport system 高度道路交通システム)実用化を推進する取り組み。その具体的な進捗状況を一般に広くPRする目的で、09年2月に東京・お台場で公開デモンストレーションが開催された。ITSが現段階で目指しているのは、人間が本来持っている「認知ミス」や「判断ミス」を先端技術によってカバーしようというもので、例えばカーブの先の渋滞や見通しの悪い交差点で接近してくる車両を無線通信によって情報としてドライバーへ提供し、警報を鳴らすなどして注意喚起を促す。08年度までにこれらの大規模な実証実験を進めてきたが、10年度からは事故多発地点を中心に具体的な展開と普及の促進を行う段階となり、このイベントが開催された。参加したのはITS推進協議会として組織された5つの政府関連機関(国土交通省、経済産業省、総務省、警察庁、内閣官房)、国内外の自動車メーカー14社および車載機器メーカーなど民間企業40数社、並びに学識経験者など。国内で開催されるITS関連イベントとしては過去最大規模となった。